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Neyens, G.*; Kowalska, M.*; Yordanov, D.*; Blaum, K.*; Himpe, P.*; Lievens, P.*; Mallion, S.*; Neugart, R.*; Vermeulen, N.*; 宇都野 穣; et al.
Physical Review Letters, 94(2), p.022501_1 - 022501_4, 2005/01
被引用回数:157 パーセンタイル:95.98(Physics, Multidisciplinary)N=20の魔法数(すなわち魔法構造)が不安定核で消滅することは知られているが、魔法構造が消滅する核がどの範囲にわたって存在するかについてはまだ実験的に確定していない。この論文では、魔法数がN=19核でも消滅するかどうかを見いだすことを目的とし、ルーベン大学のNeyens教授のグループによってMgの基底状態のスピン及び磁気モーメントの測定を行い、その実験値の理論的解釈を原研らのグループでなされたモンテカルロ殻模型計算によって与えた。ISOLDE-CERNで不安定核Mgビームを生成,分離し、まず原子の超微細構造を測定することによってこの核の核スピンが1/2であることを決定した。さらにベータNMR法によって核のg因子を測定し、スピンの結果と合わせ、この核の磁気モーメントを-0.88355(10)と決定した。魔法数が消滅していないと仮定するとMgの核スピンは3/2となるべきであることから、測定されたスピンは魔法数の消滅を強く示唆している。実際、モンテカルロ殻模型計算で詳しく解析すると、この核で魔法数が消滅しているという結果が得られ、この実験による磁気モーメントは計算のものとよく一致している。その比較から、Mgでは魔法数が消滅していることが明らかになり、魔法数消滅のメカニズムに関して大きな影響を与えた。
Mller, P.*; Sierk, A. J.*; 岩本 昭
Physical Review Letters, 92(7), p.072501_1 - 072501_4, 2004/02
被引用回数:154 パーセンタイル:95.59(Physics, Multidisciplinary)周期律表全体にある原子核の核分裂障壁の高さを、現実的な巨視的-微視的模型により計算したものを示す。他の計算と比べて優れているのは以下の点においてである。(1)核分裂ポテンシャルの地勢学を記述するのに必要な、十分高い次元で密にとったグリッドの変形空間の使用,(2)この空間での曖昧さナシでの物理的な障壁の決定,(3)一体的な形状と2つの殻分裂片または2つの衝突核との分かれ目でのポテンシャルエネルギーの連続性を保証する模型の様定式,(4)その結果として、周期律表全体に渡る核の核分裂障壁と基底状態質量の決定。
神木 正史*; 岩佐 和晃*; 中島 基樹*; 目時 直人; 荒木 新吾; Bernhoeft, N.*; Mignot, J.-M.*; Gukasov, A.*; 佐藤 英行*; 青木 勇二*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 72(5), p.1002 - 1005, 2003/05
被引用回数:199 パーセンタイル:97.23(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体PrOsSbの磁場誘起秩序相(FIOP相)が、反強四極子秩序相であることを、冷中性子三軸分光器LTASを用いて、磁場中,超低温の中性子散乱実験を行うことによって明らかにした。この実験によって、FIOP相において、0.02の小さな反強磁性モーメントが誘起されることを観察した。平均場理論による解析から、この反強磁性秩序は、四極子モーメントOの反強的な秩序によって誘起され、しかもその秩序にはO間の反強四極子相互作用が本質的な役割をしていることが明らかになった。そのため、この秩序が磁場誘起反強四極子秩序であることが結論され、この秩序相が安定化するために、Pr-4f電子が一重項基底状態及び三重項第一励起状態を持つことを明らかにした。
大島 真澄; 松崎 昌之*; 市川 進一; 飯村 秀紀; 草刈 英栄*; 稲村 卓*; 橋爪 朗*; 菅原 昌彦*
Physical Review C, 40(5), p.2084 - 2090, 1989/11
被引用回数:11 パーセンタイル:58.67(Physics, Nuclear)タンデム加速器からの250-MeV Niビームを用いた多重クーロン励起によりYbの基底状態回転バンドを調べた。-同時計数からI=15/2からI=(27/2)までの7個の新しい準位を同定した。線角分布から23/2までの線分岐比、E2/M1混合比を決定した。また、ドップラー・シフト・リコイル・ディスタンス法により25/2までの準位の核寿命を求めた。準位エネルギー及びM1、E2転移確率には大きな指標依存性がないことがわかった。Rotating Shell Modelによる解析の結果、計算は実験を良く再現することがわかった。また線の効果をspin-upとspin-down軌道で比較した結果、後者のDyの場合には大きいのに対して、前者のYbの場合には小さいことがわかった。このこともRotating Shell Modelで再現することがわかった。
峰原 英介; 大島 真澄; 菊池 士郎; 稲村 卓*; 橋爪 郎*; 熊洞 宏樹*
Physical Review C, 35(2), p.858 - 860, 1987/02
被引用回数:9 パーセンタイル:44.86(Physics, Nuclear)Dy基底状態回転バンドを多重クーロン励起により調べた。-同時計数、線角度分布測定により17/2から27/2までの励起状態を新しく同定した。また13/2から23/2までの励起状態の寿命をドップラーシフト減衰法で測定し絶対転移確率を求めた。その結果、B(E2)は単純な粒子一芯結合模型で説明できるが、B(M1)に大きなずれ(指標依存性)が見出された。この現象は回転摂動効果によるものと考えられるが、fのような比較的小さい角運動量状態について見られたのは始めてである。また通常、回転摂動効果はB(M1)とエネルギーの両方に現れるが、この場合にはエネルギーの指標依存性は非常に小さいことがわかった。